弁護士への依頼は宣戦布告!? 双方代理の禁止とその意味

  1. 双方代理の禁止とは?
  2. 弁護士は「公平な立場」に立てない?
  3. 弁護士を介入させることで関係が悪化する可能性?

双方代理の禁止とは?

先ほど弁護士はオールマイティとお伝えしましたが、注意点が1つあります。それは、「弁護士は相続人の双方から依頼を受けることができない」ということです。 例えば、相続人が長男と長女の子供2人であった場合に、「公平な立場で、遺産分割をまとめてほしい」という依頼を、長男と長女の双方から受けることができないのです。これを「双方代理の禁止」といいます。

弁護士は「公平な立場」に立てない?

弁護士は依頼者の利益を最大化することが仕事です。長男の利益を最大化しようとすれば、長女の利益を損なうことになり、長女の利益を最大化しようとすれば、長男の利益を損なうことになります。つまり、弁護士はどちらかの肩しか持てないのです。弁護士を介入させることで、関係が悪化する可能性もあります。

弁護士を介入させることで関係が悪化する可能性?

必然的に、相手方も別の弁護士に依頼する可能性が高まります。そして両者とも弁護士に依頼して、それぞれが自分の利益を最大化させるよう争うことになります。もともと、にっちもさっちもいかないくらい揉めているなら仕方ありませんが、「そこまで仲が悪いわけではないけれど、納得できない部分がある」くらいの段階では、弁護士に依頼するかどうかは慎重に考えなければいけませんね。

これらのポイントを加筆し、ブログ記事としてまとめました。弁護士への依頼は、双方代理の禁止があることや弁護士の立場によって関係が悪化する可能性があることを理解した上で行う必要があります。