「普通の家庭も危険な相続トラブルの温床?」

相続争いは「金持ちだけの問題」ではなく、実は「普通の家庭」にこそ潜在的なリスクがあることが明らかになっています。2018年の相続争い調停の事例では、審判が1万5706件あり、そのうち遺産額が1000万円以下のものが33%、5000万円以下のものが13.3%を占めています。つまり、相続争いの8割近くが遺産5000万円以下の「普通の家庭」で発生しているのです。

さらに、2000年から2020年の20年間で、調停に至った件数は1.5倍以上に増加しており、今後も増加の傾向が続く見通しです。では、なぜ普通の家庭で相続争いが頻発するのでしょうか?その背景には、人々の権利意識の変化があります。

かつては戦後の法律において、親の遺産は長男がすべて相続する「家督相続」の考え方が支配的でした。しかしながら、1947年に日本国憲法が制定され、「男女平等・夫婦平等・複数の子の平等」が理念として掲げられたことで、相続のルールも大きく変わりました。「平等」という理念は素晴らしいものですが、皮肉なことに、この考え方が個々人の権利意識を大幅に増大させ、結果として相続トラブルを劇的に増加させたのです。