賃貸経営はリスクとの戦い

リスク① 空室 将来的に日本の人口が減少し、空き家が増加する見込みです。このような状況下では、空室リスクが非常に重要です。都心部であっても、立地条件によっては入居者がなかなか見つからない賃貸住宅が存在します。空き家率が高い地域ほど、空室リスクも高まります。また、賃貸住宅では入居後の平均居住期間が約4年と言われていますが、これは平均値であり、2年未満での退去もあります。このような場合、入居者の退去から次の入居者が決まるまでの空室期間が2〜3ヶ月と仮定すると、2年間の平均空室率は約10%になります。したがって、入居者が比較的順調に見つかる物件でも、空室率は最大約10%になる可能性があります。空室期間中は家賃収入が得られませんが、一方でローンの返済は継続されるため、経済的な負担が発生します。賃貸経営を考えている場合は、物件の立地や地域の空室率などを不動産会社に確認することが重要です。

リスク② 家賃の下落 過去には土地の価格が下がっても家賃はそれほど下落しなかった時代がありました。しかし、現在の状況は異なります。人口の減少や空き家の増加により、家賃の値下げ交渉が一般的になっています。今後は家賃が上昇する要素は少なく、特に地方の賃貸住宅市場では価格競争が激しくなっています。賃貸経営を考える際には、「家賃は下落するもの」という意識が重要です。物件によって異なりますが、最低でも1年間で1%、10年間で100%の家賃下落を想定する必要があります。

リスク③ 思いがけない出費 家賃収入が利益に直結するわけではありません。不動産管理会社への委託費用や修繕費、火災保険、固定資産税など、さまざまな費用がかかります。特に修繕費は突発的に発生し、大きな額になることもあります。賃貸経営を維持するためには、定期的なメンテナンスも欠かせません。賃貸経営の収支計画を立てる際には、これらの費用を綿密に考慮する必要があります。投資の効率や手間などを総合的に考慮し、賃貸に出すか、売却するか、あるいは空き家のまま維持するかを判断する際には、収支計画をしっかりと立てることが重要です。