売却物件の価格設定

売却物件の価格設定において、3段階のアプローチをおすすめしています。

まず第一に、「売れたらいいなという価格」を考えます。この価格は、競合がない場合には、少々リスクを冒してでも、ある程度チャレンジした価格を設定することができます。例えば、過去の取引事例から導き出した相場価格が2000万円であれば、2300万円での価格設定を検討します。結果として、満額ではなくとも2000万円から2100万円程度で成約する可能性があります。

次に、「おそらく売れるであろうという価格」を検討します。競合が存在する場合には、競合相手よりも安くしなくてもよいですが、あまりにも高額な価格設定は失敗の元となります。例えば、同じ相場価格が2000万円で競合がある物件に対して、2300万円での価格設定を行った場合、反応が得られず価格を徐々に下げることになります。これにより、物件が長期間市場に掲載され、最終的には2000万円以下での売却となる可能性があります。無謀な価格設定は売り時を逃すことに繋がるため、慎重な検討が必要です。

最後に、「これ以上は下げられないという価格」を明確に設定します。この価格は、最低限の価格設定であり、長期間掲載された場合や市場状況の変化などにより価格を下げることが難しい場合に重要です。

以上の価格設定は、安心して販売を任せるために不動産会社との間で共有することが重要です。信頼できる不動産会社の営業担当者に相談し、各価格の根拠や売り出し開始から成約までの期間、価格調整のタイミングなどを詳しく確認することをお勧めします。