タンス預金は税務署にバレるのか?

国税庁の秘密兵器KSKシステム

税務調査に選ばれると、タンス預金は高確率でバレます。タンス預金自体は悪いことではありません。銀行にお金を預けるのも、タンスの中で寝かせておくのも、完全に個人の自由です。問題は「タンス預金があるかどうかなんて税務署もわかりっこない」と、タンス預金を隠して相続税の申告をすることです。これは節税ではなく、完全に脱税です。仮にタンス預金があったとしても、きちんと相続税の申告に織り込めば、問題になることはありません。

KSKシステムがタンス預金を見抜く方法

調査官はどのようにタンス預金を見抜くのでしょうか。ここで登場するのが、先にも紹介した、国税総合管理 (KSK) システムです。私たち国民ひとりひとりの稼ぎ・財産は、毎年の確定申告や給与の源泉徴収票により、おおよそ把握されています。

このKSKシステムを使ってタンス預金をあぶり出します。例えば、生前中の所得水準等から、「この人は少なくとも3億円くらいの財産を持ってそうだ」とKSKシステムが導き出した人がいました。しかし、提出された相続税の申告書には財産は1億円しか記載されていません。2億円もの乖離があります。この乖離について税務署は、「差額の2億円をどこかに隠してるんじゃないか?」と疑いの目を向けるわけです。

タンス預金を隠すことの難しさ

不動産等を買えば2億円くらい無くなることもあるだろうと思われるかもしれません。しかし、その場合、不動産という別の財産が生まれるはずです。同様に、2億円の宝石を買えば、2億円のキャッシュは減りますが、2億円の宝石が残るはずです。

純粋に財産が減る消費というのは、食事、旅行、趣味、ギャンブルくらいしかありません。これらで2億円を減らすのは、なかなか大変ですよね。ちなみに金やプラチナの売却金額が200万円を超えると、その情報は税務署へ自動的に送られます(支払調書)。また200万円以下の取引や金やプラチナ以外の高級品についても、税務署は、百貨店の外商部や高級外車のディーラーから購入者リストを定期的に入手しているそうです。その情報もKSKシステムに取り込まれている可能性も十分に考えられます。