遺産分割の複雑さ:トラブル事例から学ぶ

近年、相続に伴う遺産分割トラブルは増加しています。特に不動産が遺産の大部分を占める場合、相続人の間で合意が得られず、論争が勃発することが多々あります。実際の事例を通して、その複雑さと解決の道を模索していきましょう。

​母親が5年前に亡くなり、残された相続財産には土地、建物、現金・金融資産が含まれています。父親が財産を継承し、数年後に認知症となり、長男が介護を行っていました。相続財産は4750万円程度で相続税の基礎控除枠内に収まっていました。

​相続手続きの際、長男が提案した遺産分割案では自宅の土地と建物を相続し、金融資産を長女と次男に分割するという案を提示しました。しかし、各相続人から異なる主張がなされ、合意に至ることは困難でした。

  • 長女と次男は、土地と建物の評価額から長男の生活費補助などを考慮し、長男の相続分が過剰だと主張。
  • 長女は自宅建築時の父親からの資金援助を考慮すべきと主張。
  • 次男は私立大学進学や教育費に対する父親からの援助を指摘。
  • 長男の妻は介護への貢献と経済的負担を挙げ、長女と次男には分からない苦労があると主張。
  • 長男は家やお墓の継承、自身の負担などを根拠に、相続分の多さを主張。

​相続財産の複雑な分割案において、妥協点を見つけることは困難です。このような場合、相続人は弁護士の仲介を通じて調停に至ることが一般的です。最悪の場合、裁判所の審判が求められることもあります。

​遺産分割トラブルを回避するためには、相続人間で明確な合意を形成することが不可欠です。遺言書の作成や相続計画の策定は、将来のトラブルを軽減する重要な手段です。また、早い段階で弁護士や専門家の助言を求めることも重要です。

遺産分割の論争は関係を悪化させる可能性が高く、状況を悪化させるだけでなく、時間と費用を要するものです。遺産分割におけるトラブルを回避するために、相続人は事前に計画を立て、協力し合うことが不可欠です。