借金で相続税対策?実態はこうだ
「借金をすれば相続税対策になる」という話、実は実態とは程遠いものです。相続税の減額は不動産を購入することで起こるものであり、借金やローン自体に相続税を減らす効果はありません。手元に余裕資金がある人は、手元の預金で不動産を買っても、借金して不動産を買ったとしても、相続税の金額は同じなのです。つまり、相続税対策のために無理にローンを組む必要はありません。
ローンを組む場合
ただし、生活費や将来の相続税の納税資金を残しつつ、大規模な不動産を購入したい場合は、あえてローンを組んで不動産を購入することも一考に値します。ただ、不動産購入のために手元の資金をほとんど使い果たし、相続税の支払いに必要な資金が不足してしまう場合、延納(税金の分割払い)か、銀行からの借入れが必要となるでしょう。
銀行借入れの注意点
銀行は相続税の支払いのためにお金を貸してくれますが、この場合の金利は一般的にかなり高く、年利3〜10%前後になることが多いです。一方、延納の利子税は1%前後であり、銀行の金利よりも安いです。ただし、延納は当面の生活費(3か月分)を除いた残りの金銭を全て納税に充てる必要があり、非常に厳しい制度です。
不動産購入のローンのメリット
一方、不動産購入のためのローンは、抵当権設定により金利が比較的安くなる場合があります。自宅として使用する場合は住宅ローン控除が適用され、投資用として使う場合は利息が経費として扱えます。相続税を支払うための借り入れよりも利点が多く、慎重に計画することが重要です。
まとめ
借金やローンは相続税を直接減らす手段ではありません。相続税対策として資産を管理する場合、借金のリスクや利点を十分に理解し、将来の支払いに備えることが重要です。慎重な計画と資産運用が、相続税対策において有益な方策となります。