登録免許税について
不動産の登記に関する登録免許税は、登記を行う者に対して国が課税する税金です。以下に、その課税範囲、課税標準、税率、および特例について詳しく説明します。
1. 課税の範囲
登録免許税は、登録免許税法別表第1に掲げる登記等が課税の範囲です。たとえば、不動産を取得した者に対して、不動産の所有権移転登記申請時に課税されます。
2. 課税標準
課税標準は、不動産を取得したときの「不動産の価格」であり、原則として「固定資産課税台帳登録価格」(いわゆる固定資産税評価額)によります。抵当権設定登記では、課税標準は債権金額となります。
3. 税率
不動産に関する主な登録免許税の税率は以下の通りです:
登記の種類 | 税率 |
---|---|
所有権保存 | 4/1,000 |
売買・贈与による所有権移転 | 20/1,000 |
相続による所有権移転 | 4/1,000 |
抵当権設定 | 4/1,000 |
仮登記(所有権移転・移転請求権の保全) | 10/1,000 |
所有権の信託 | 4/1,000 |
2023年3月31日までの特例として、土地の売買による所有権移転の場合は15/1,000、所有権の信託の場合は3/1,000となります。
4. 住宅用家屋の軽減税率
新築または取得後1年以内に受ける住宅用家屋(個人の自己居住用のみ)の所有権保存登記・所有権移転登記、抵当権設定登記(住宅取得資金の貸し付け等に係るもの)については、次の表の軽減税率の特例があります(2027年3月31日まで)。
登記の種類 | 軽減税率 |
---|---|
所有権保存登記 | 1.5/1,000 |
所有権移転登記(売買によるもの) | 3/1,000 |
抵当権設定登記 | 1/1,000 |
要件:
- 住宅の用途:自己居住用
- 床面積:50m²以上
- 中古住宅の要件:新耐震基準に適合していること(登記簿上の建築日付が1982年1月1日以降の住宅は適合とみなす)
- 特例の期限:新築または取得後1年以内の登記
- 添付書類:住宅用家屋証明書(家屋所在地の市区町村長が発行)
5. その他の特例
- 共同担保の抵当権の設定登記:
- 同一の債権のために複数の不動産に抵当権設定登記をする場合、同一の登記所で同時申請をすると1つの抵当権とみなされ、最も低い税率が適用されます。
- 特定認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の特例:
- 特定認定長期優良住宅、認定低炭素住宅を新築または取得し、居住の用に供した場合の軽減税率は次の通りです(2027年3月31日まで)。
登記の種類 | 軽減税率 |
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所有権保存登記 | 1/1,000 |
所有権移転登記 | 1/1,000(一戸建ての特定認定長期優良住宅のみ2/1,000) |
- リフォーム後再販された住宅用家屋(特定増改築住宅)の所有権移転登記の特例:
- 個人が宅地建物取引業者より一定の増改築が行われた中古住宅を取得し、居住の用に供した場合、所有権移転登記の税率は1/1,000に軽減されます(2024年3月31日まで)。
これらの情報を基に、不動産登記に関する登録免許税についての理解を深めていただければ幸いです。