住宅ローンの抵当権抹消手続きのポイント

不動産売買において、引き渡しの1カ月前までには金融機関への連絡が必要です。特に、売却する物件に住宅ローンが残っている場合は、その不動産にはまだ「抵当権」が付いていることがあります。

抵当権は、住宅ローンの返済が滞った場合に金融機関が物件を処分または使用する権利を指します。この抵当権は、売り主から買い主への所有権移転時に引き継ぐことはできません。したがって、売買契約が成立した後、引き渡しの前には住宅ローンを全額返済し、抵当権を抹消する必要があります。

具体的な手順としては、売買契約が済み、引き渡し日が確定したら、まず金融機関に電話して住宅ローンの全額返済と抵当権抹消の準備を依頼します。返済当日のローン残高を確認し、抵当権抹消に関する書類を用意してもらうには最低でも2週間かかるので、引き渡しの1ヵ月前までに連絡することが望ましいでしょう。

また、不動産会社の営業担当者を通じて、司法書士にも同じ内容を連絡します。その後の金融機関への連絡や書類の受け取りは司法書士が手続きを行ってくれますので、売り主は特に準備する必要はありません。