事業用不動産の買い換え

相続税評価額を下げる手段として、事業用不動産の買い換えがあります。これにより、相続税の負担を軽減することができ、具体的な方法とその効果について考えてみましょう。

特定事業用資産の買い換え制度

この手法は、「特定事業用資産の買い換え制度」として知られており、一般的には長期保有している国内土地などを売却し、国内の土地や建物に買い換えるものです。この方法を活用することで、相続税評価額を下げることができます。

相続税評価額の減少

なぜこの方法が有効なのでしょうか?それは、売却資産が土地が多く、買い換え資産が建物など減価償却資産の割合が多くなるためです。つまり、土地から減価償却資産へシフトすることで、全体の相続税評価額が引き下げられるのです。

具体的な例

具体的な例を挙げてみましょう。事業用の土地(6,500万円)と建物(500万円)を売却して、同額の土地(2,000万円)と建物(5,000万円)を購入したとします。

従来は、土地の相続税評価額は3,900万円(時価の60%)、建物の相続税評価額が200万円(時価の40%)で、利回りは年2%でした。しかし、買換えをすることで利回りが年350万円に上昇し、年5%にまで向上しました。

新たに取得した土地の相続税評価額は1,200万円(時価の60%)、建物は2,000万円(時価の40%)になり、相続税評価額は900万円減少しました。不動産をシフトすることで利回りが上昇し、相続税評価額が減少することがわかります。


このように、事業用不動産の買い換えは、相続税評価額を下げつつ、不動産資産の収益性を向上させる重要な戦略の一つです。ただし、専門家のアドバイスを受けながら、計画的に進めることが大切です。相続税対策として検討してみてください。