建蔽率の制限について理解しよう

建築基準法の一部である建蔽率の制限について、その定義や具体的な適用方法を詳しく見ていきましょう。

建蔽率の定義

建蔽率とは、「建築物の建築面積の敷地面積に対する割合」を指します。具体的には、次のように計算されます。

markdownコードをコピーする建蔽率 = 建築物の建築面積 / 敷地面積

建築面積とは、建築物の外壁または柱の中心線で囲まれた内側の部分の水平投影面積のことです。通常、1階部分の面積に近く、軒やひさし、出窓などの一部の突出部も含まれます。

用途地域ごとの建蔽率の制限

用途地域に応じて、建蔽率の最高限度が定められています。これは、敷地内における空地面積を管理し、快適な居住環境や都市の景観を維持するためです。

  • 建蔽率の最高限度 用途地域ごとに、建築可能な建築物の建築面積の最高限度が都市計画で指定されます。例えば、居住環境が重視される地域では、空地面積が広く確保されるよう、低めの建蔽率が設定されます。都市計画図を確認することで、具体的な建蔽率の最高限度を知ることができます。
  • 建築面積の最高限度の計算 敷地面積に建蔽率の最高限度を掛けて、建築面積の最高限度を求めます。
  • 建蔽率の緩和措置 次の条件を満たす場合、建蔽率に10%を加えることができます。
    • 建蔽率が80%でない地域で、防火地域内にある耐火建築物等
    • 準防火地域で、耐火建築物等または準耐火建築物等
    • 特定行政庁が指定する角地等
    さらに、複数の条件に該当する場合は、20%の加算が可能です。

建蔽率の制限が適用されない建築物

次のような建築物は、建蔽率の制限が適用されません。

  • 建蔽率が80%の地域で、防火地域内にある耐火建築物
  • 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊等
  • 公園や広場、道路、河川内の建築物で、安全性や防火、衛生上問題のないもの

敷地が建蔽率の異なる地域にわたる場合

建築物の敷地が建蔽率の異なる地域にまたがる場合、それぞれの地域の建蔽率の最高限度の数値に、その地域の敷地面積の割合を乗じた数値を合計したもの(加重平均)がその敷地全体の建蔽率の最高限度となります。

具体的な建築面積の最高限度を求める場合、地域ごとに別々に計算して合計することもできます。


これらの規制により、都市の快適な生活環境が保たれ、計画的な街づくりが進められています。建築計画を立てる際は、用途地域や建蔽率の制限をしっかり確認し、適切な設計を心がけましょう。