不動産広告に関する重要なポイント

不動産広告を行う際には、以下の2つのルールに従う必要があります。

1. 宅地建物取引業法による規制

(1) 誇大広告の禁止

不動産広告を行う際には、物件の所在、規模、環境、交通利便性、価格や支払方法について事実に基づいた正確な情報を提供する必要があります。特に、存在しない物件を広告して顧客を引き寄せる「おとり広告」は厳禁です。

(2) 広告開始時期の制限

未完成物件の広告は、必要な開発許可や建築確認が得られた後でなければ行えません。

(3) 取引態様の明示

不動産業者が自ら売主、代理、媒介のいずれの立場で取引を行うのかを明示する必要があります。

2. 公正競争規約(表示規約)

表示規約は、不動産業界が自主的に定めたルールで、物件の種類や広告媒体ごとに表示すべき事項や禁止される特定用語など、詳細な規制が含まれています。

不動産広告の規制と表示のポイント

1. 新築物件の広告

  • 「新築」の表示:建築後1年未満で、かつ居住歴のない物件のみが「新築」と表示できます。
  • 利便施設の表示:デパートやスーパーなどの商業施設については、実際に利用可能なものであることを明示し、物件からの道路距離も記載します。
  • 徒歩時間の表示:80mを1分として計算し、1分未満の端数は1分に切り上げます。

2. 物件所在地の表示

物件の所在地は、都道府県、市区町村、地番を表示します。地番の表示は売地・中古住宅に関して義務付けられていません。

3. 土地面積の表示

メートル法を使用し、坪数のみの表示は許されていません。

4. 未完成物件の広告

建築確認番号の表示が必要です。建築工事が完了した新築住宅の場合は、この表示を省略することも可能です。

5. 取引態様の表示

媒介、代理、売主などの取引態様を明示し、媒介の場合は報酬負担についても記載します。

その他の重要ポイント

  • 建築基準法:建蔽率や容積率を表示し、建築ができない物件には「建築不可」や「再建築不可」と表示します。
  • 廃屋の有無:土地に廃屋がある場合は、その旨を明示します。
  • 不当な二重価格表示の禁止:実売価格に対して、より高い価格を併記することは禁止されていますが、値下げ前後の価格は表示できます。
  • セットバック:セットバックが必要な場合、その旨と面積を表示します。
  • 新設予定の駅等:運行主体が公表した新設予定の駅等については、その予定時期を明示して表示できます。

マンションの広告

  • 管理費と修繕積立金:月額で区別して表示します。
  • 中古マンションの面積表示:間取表示ではなく専有面積を必ず表示します。
  • 建築年月の表示:中古住宅は建築年月を表示し、「築後○年○カ月」のみの表示は不可です。

結論

不動産広告には、消費者が誤認しないようにするための細かな規制が数多く存在します。これらの規制を遵守することで、公正かつ信頼性の高い広告を行い、消費者に正確な情報を提供することが求められます。