不動産法人化の手法と節税メリット

不動産法人化は、不動産管理会社に不動産を所有させる方法ですが、不動産法人化の手法には、土地建物所有手法と建物所有手法の2つがあります。この記事では、それぞれの手法と不動産法人化による節税メリットについて説明します。

土地建物所有手法 土地建物所有手法は、新たに建物と共に土地を購入する際、新設又は既存の不動産所有会社に建物と土地の両方を取得させる方法です。この手法は、高額所得者であって、豊富な余剰資金で不動産投資を行う人に向いています。通常、壮年時に不動産投資を行うことが多く、相続発生までの時間があるため、不動産保有会社で土地建物を取得することが考えられます。不動産の物件ごとに法人化し、複数の子供に承継するなど、柔軟な使い勝手があります。

建物所有手法 建物所有手法は、既に個人で所有している土地の上に、会社名義で新たな建物を建てたり、既存の建物を移転したりする手法です。この手法は、代々の地主であり、すでに土地を個人で所有している人に向いています。既存地主は土地を相続等で取得している場合が多く、そのため、土地は個人所有のまま、建物のみを不動産所有会社に移すことが基本的なスキームとされています。

不動産法人化の節税メリット 不動産のプライベート・カンパニーには、所得税節税メリットと相続税節税メリットがあります。

  • 所得税節税メリット: 不動産の賃料収入をプライベート・カンパニーに帰属させ、法人税率が所得税率よりも低いため、税率の差異を活かした節税が可能です。また、役員報酬には給与所得控除が認められ、節税に寄与します。
  • 相続税節税メリット: 財産の移転により、相続時の課税対象を減らすことができます。相続人の金融資産の減少による分散対策や相続人の金融資産の増加による納税資金対策が可能です。
  • 株式間接保有としての評価減メリット: 不動産を株式として承継することで、評価額が下がり、相続税節税に寄与します。株式の評価方法は中小企業にとって優遇されています。
  • 財産凍結回避メリット: 不動産の個人所有時に認知症等が発生すると、財産の管理が制限される可能性が高いため、不動産法人化により財産の管理を安定的に継続できます。

不動産法人化は、節税メリットを活かすための有力な手法であり、個人の資産