不動産取得税に関するコラム
不動産取得税とは?
不動産取得税は、不動産の所有権を取得した者に対して、その不動産が所在する都道府県が課税する税金です。不動産取得税は、土地や家屋などの不動産の取得に対して課税されます。不動産を取得した時点で課税の対象となり、所有権の登記がされていなくても課税されます。例えば、固定資産を等価で交換した場合でも経済的利益が発生しなくても課税されます。
1. 不動産の取得と非課税
(1) 不動産の取得
地方税法に特別な定めがない限り、以下のような取得でも課税の対象となります。
- 有償による取得(売買等)・無償による取得(贈与)
- 原始取得(家屋の新築等)・承継取得(土地・家屋の売買等)
(2) 非課税
以下の不動産の取得については、不動産取得税が非課税となります。そのため、土地・家屋を相続しても不動産取得税は課税されません。
- 公共的または公益的な目的に供される不動産の取得
2. 納税義務者
不動産取得税は、不動産を取得した日にその所有者に課税されます。
3. 不動産取得税の計算
不動産取得税の税額は以下の式で求められます。
税額=課税標準×税率
4. 課税標準
(1) 固定資産税評価額
課税標準は、不動産を取得した時点での「不動産の価格」であり、原則として固定資産税評価額によります。
(2) 宅地の特例
宅地および宅地比準土地(市街化区域農地、雑種地等)の取得が2004年3月31日までに行われた場合、課税標準が固定資産税評価額の2分の1とされます。
税額=課税標準(宅地の固定資産税評価額×1/2)×税率(3%)
(3) タワーマンションの特例
居住用超高層建築物(高さ60m以上、複数の住戸がある建築物)の専有部分の取得については、専有部分の床面積を「階層別専有床面積補正率」により補正し、全体の評価を按分します。この特例は2018年度から新たに課税されることとなった住戸について適用されます。
「階層別専有床面積補正率」は、1階を100とし、1階上がるごとに+10/39とします。つまり、1階を100とすれば、40階は100+10/39×(40-1)=110となります。
(4) 特例適用住宅を取得した場合の課税標準の特例
次の要件を満たす住宅(特例適用住宅)を取得し、所定の申告がなされた場合には、標準となる固定資産税評価額から一定額(新築で1,200万円/戸)が控除されます。
税額=(固定資産税評価額-新築で1,200万円/戸)×税率(3%)
5. 税率
不動産取得税の税率は4%ですが、住宅と土地については特例により3%とされています(2024年3月31日まで)。
6. 特例適用住宅の敷地を取得した場合の税額の減額
土地を取得し、一定期間内にその敷地上に特例適用住宅を取得した場合、または、耐震基準不適合既存住宅を取得し、入居前(取得後6カ月以内)に新耐震基準に適合するための改修をした場合、以下のいずれか多い金額が住宅の敷地である土地の取得に係る税額から減額されます。
- 土地1㎡当たりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍×3%
- 4万5,000円
例えば、200㎡の敷地を購入し、3年以内に延べ面積100㎡の住宅を新築した場合、敷地である土地の取得に対する不動産取得税は全額減額されます(0円)。
なお、2023年3月31日までに宅地建物取引業者が中古住宅(新築後10年以上)を取得し、耐震基準適合要件を満たす一定の増改築をして、取得の日から2年以内に個人(自宅として使用)に販売した場合、その敷地についても適用されます。
不動産取得税=(土地の価格×1/2×3%)- 控除額(①または②)
まとめ
不動産取得税は不動産の取得に伴う重要な税金です。非課税対象や特例を理解し、適切な対策を講じることで、税負担を軽減することが可能です。不動産を取得する際には、必ず専門家に相談し、正確な情報を得るよう心がけましょう。