建築基準法における容積率の制限
容積率とは 容積率は「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合」を示す指標です。計算式は以下の通りです。
容積率 = 建築物の延べ面積 / 敷地面積
ここでの延べ面積は、建物の各階の床面積の合計を指します。
用途地域ごとの容積率の制限
- 容積率の最高限度
用途地域ごとに定められた容積率の最高限度は、敷地において建築可能な建築物の延べ面積の上限を規制し、建築物に収容可能な人員数をコントロールする目的があります。前面道路の幅員が狭い敷地では、災害発生時に緊急車両の通行が困難になるため、建築物に収容可能な人員数を抑えることが求められます。具体的な容積率の最高限度は、都市計画図で確認することができます。
- 前面道路の幅員が12m以上の場合
延べ面積の最高限度 = 敷地面積 × 容積率
- 前面道路の幅員が12m未満の場合
前面道路の幅員が12m未満の場合、指定された容積率と前面道路の幅員に次の法定乗数を掛けた数値のうち、小さい方が敷地の容積率の最高限度となります。
建築物の敷地が異なる容積率の地域にわたる場合
建築物の敷地が異なる容積率の地域にまたがる場合、それぞれの地域の容積率の最高限度に、その地域にかかる敷地全体の割合を乗じた数値の合計がその敷地全体の容積率の最高限度となります。加重平均による容積率は、求めた延べ面積を敷地面積で割り戻すことで算出されます。
特定道路による容積率制限の緩和
建築物の敷地が幅員15m以上の道路(特定道路)から70m以内にあり、かつ前面道路の幅員が6m以上12m未満の場合、以下の計算式により前面道路の幅員に加算して容積率の限度を計算することができます。
Wa = (12 - Wr) × (70 - L) / 70
容積率算定上の面積不算入
容積率の制限を計算する場合、以下の面積は原則として算入しません。
- 自動車車庫等の用途に供する部分(建築物の各階の床面積の合計の1/5が限度)
- 地階の天井が地盤面から1m以下にある住宅部分等(建築物の住宅部分の床面積の合計の1/3が限度)
- 共同住宅や老人ホーム等の共用廊下や階段部分
- 防災・減災のための備蓄倉庫や自家発電設備の床面積
- エレベーターの昇降路部分
- 宅配ボックスを設置する部分(建築物の各階の床面積の合計の1/100が限度)
特例容積率適用地区
特例容積率適用地区に指定された区域内の土地の所有者等は、特定行政庁に特例容積率の限度の指定を申請することができ、申請に基づいて特例容積率が指定された場合、その容積率を限度として合算して計算することができます。この場合でも、前面道路の幅員による容積率の制限は適用されます。