開発許可制度について
都市化が進展すると無秩序な開発(乱開発)が行われる懸念が生じます。これを防止するために、都市計画法では開発行為や建築を許可制としています。以下に、開発許可制度の概要を説明します。
1. 開発行為
開発行為とは、主に建築物の建築や特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更する行為を指します。具体的には、敷地の分割や造成工事(切土・盛土など)が該当します。特定工作物には、コンクリートプラントやクラッシャープラント、危険物の貯蔵施設、ゴルフコース、遊園地などがあります。
2. 開発許可制度
都市計画区域内で開発行為を行う場合は、都道府県知事(指定都市では市長)の許可が必要です。準都市計画区域では3,000㎡以上、都市計画区域および準都市計画区域外では1ha以上の開発行為も同様に許可が必要です。
3. 開発許可が不要な開発行為
特定の条件を満たす開発行為は、許可が不要となる場合があります。
4. 事前手続
開発許可を申請する前に、以下の手続きを行う必要があります。
- 公共施設の管理者と協議し、同意を得ること。
- 開発行為によって設置される公共施設の管理者と協議すること。
- 開発予定地の権利者の同意を得ること。
5. 開発許可申請手続
開発許可を受けるためには、都道府県知事に開発許可申請書を提出し、事前手続で得た書類を添付する必要があります。
6. 開発行為の変更・廃止
開発行為の内容を変更する場合は、都道府県知事の許可が必要です。
7. 用途地域が定められていない区域での開発行為
都道府県知事は必要と認める場合、建築物の建蔽率や高さ、壁面の位置などに関する制限を定めることができます。
8. 工事完了公告の前後における建築等の制限
開発区域内では、工事完了公告の前後で建築が制限されます。公告前は原則として建築できず、公告後も予定された建築物以外の建築は制限されます。
9. 開発許可を受けた区域外の土地の建築制限
市街化調整区域では、特定の建築物を除き、都道府県知事の許可がなければ建築が禁止されています。
10. 開発許可の地位の承継
開発許可を受けた者が変更になる場合、一般承継(相続など)では許可・承認は不要ですが、特定承継(所有権の譲渡など)では都道府県知事の承認が必要です。
11. 公共施設の帰属
開発行為によって設置された公共施設は、工事完了公告の翌日に所在市町村の管理となり、敷地の所有権も管理者に帰属します。
以上が、不動産に関する開発許可制度の概要です。開発行為を計画する際には、法規制を十分に理解し、適切な手続きを踏むことが重要です。