建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)

集会決議における定数と効力

(1) 集会の招集

区分所有者がその議決権を行使できる場として、集会は最高の意思決定機関です。集会を開催する場合、管理者は開催日より1週間以上前に、会議の目的である事項を各区分所有者に通知する必要があります。ただし、区分所有者全員が同意した場合には、こうした招集手続きを省略することも可能です。

  1. 通常総会
    区分所有建物の管理者は、年1回以上集会を招集しなければなりません。これが一般に「通常総会」と呼ばれます。
  2. 臨時総会
    区分所有者および議決権の各5分の1以上の請求があれば、集会の招集ができます。また、規約において必要に応じ、理事長が理事会の決議を経て集会を招集できる旨等が定められていることも多く、これが「臨時総会」と呼ばれます。

(2) 決議基準

集会における決議は、「区分所有者」と「議決権」を併用して行います。

  1. 区分所有者
    区分所有者(頭数)は、1人が複数の専有部分を有していても1人と数えます。1つの専有部分を2人以上で共有している場合は1人として数え、代表者を決めます。
  2. 議決権
    原則として専有部分の床面積割合によりますが、規約により別段の定めをすることも可能です。専有部分が複数で共有されている場合には、議決権を行使する者を1人定めなければなりません。なお、集会の目的事項に利害関係がある占有者(賃借人等)は、集会に参加して意見を述べることはできますが、決議に参加することはできません。

区分所有法では、集会に出席し議決権を行使する代理人について特に資格を定めていませんが、マンションの事情を知らない者が集会に出席し議決権を行使することは望ましくないため、管理規約では代理人となる者の資格を「組合員本人の同居人」「他の組合員」「他の組合員の同居人」「組合員本人の住戸を借り受けている人」などに限定することが一般的です。

(3) 集会決議の定数

集会において議案を議決する方法には、普通決議と特別決議があります。通常の議案について、区分所有者および議決権の各過半数の賛成により可決するものを「普通決議」といい、特に重要な議案について区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成など特別な定数の賛成により可決するものを「特別決議」といいます。

(4) 書面または電磁的方法による決議

区分所有法または規約により集会において決議をすべき場合に、区分所有者全員の承諾があったときは、管理者は集会によらず書面または電磁的方法による決議を行うことができます。