公正証書遺言の注意点

公正証書遺言は一般的に信頼性が高いとされていますが、それでも絶対的な安全性はないことを理解しておく必要があります。実際、公正証書遺言が無効とされるケースも多く存在します。本記事では、その落とし穴について考えてみましょう。

認知症などの状態での遺言作成

公正証書遺言が無効とされる一因は、遺言者が認知症などの状態であった場合です。施設の介護記録や家族の証言などから、正常な判断ができない状態で遺言書が作成されると、裁判で無効とされることがあります。驚くかもしれませんが、公正証書遺言は意外にも簡単に作成できるため、慎重なアプローチが必要です。

公証人の姿勢に注意

公証人の姿勢も重要です。遺言書の内容を適当に確認し、「問題がなければ署名してください」とすぐに進める公証人もいれば、慎重に遺言者の意思を確認する公証人もいます。無効とされた遺言の多くは前者のプロセスで作成されたものです。

安全性向上のための提案

安全性を向上させるためには、以下の提案があります。

  • かかりつけの主治医からの診断書取得: 遺言作成前と後に、主治医から「意思能力は問題ない」という診断書を取得しましょう。特に認知症などの問題がある場合は、これが有効な証拠となります。
  • 遺言書の早期作成: 遺言書を早い時期に作成し、かかりつけ医の診断書と併せて保管しておくと、将来の争いを防ぐ手助けになります。

公正証書遺言は家族や財産の未来を守る大切な文書です。慎重かつ十分な準備をすることで、安心して遺言書を作成できるでしょう。