借地借家法における借家権とその契約

建物を賃貸する際、借地借家法に基づいて契約を結ぶことが一般的です。この法律には様々な借家権の形態がありますが、ここでは建物賃貸借(普通借家権)について解説します。

  1. 建物賃貸借の存続期間・更新・終了
    • 契約期間が1年以上の場合、期間終了の1年前から6ヵ月前までに更新拒絶の通知がなければ、契約は法定更新されます。更新拒絶の通知には正当事由が必要です。
    • 契約期間が定められていない場合、賃貸人または賃借人はいつでも解約の申し入れができます。賃貸人からの解約通知にも正当事由が必要です。他人からの解約申し入れは、申し入れから3カ月後に契約が終了します。
  2. 建物賃貸借の対抗要件
    • 登記がなくても、建物の引き渡しがあれば第三者に対抗できます。
  3. 借家権の譲渡・転貸
    • 賃貸人の承認なしに借家権を譲渡または貸借物を転貸することはできません。ただし、家屋では承認が必要なく、裁判所の許可も必要ありません。
    • 承認を得た後でも、高了や解約により契約が終了する場合は、賃貸人が当事者に通知しなければ、契約終了を第三者に対抗することはできません。
  4. 造作買取請求権
    • 建物に付加した設備や装備(畳、建具、エアコン、照明・暖房設備など)は、賃貸人の同意を得ていれば、契約終了時に時価で買い取ることができます。ただし、不履行や解除の場合は請求できません。
  5. 借家権の承継
    • 相続により借家権は相続されます。居住用建物の賃借人が死亡した場合、同居者または養子が権利義務を承継します。ただし、承継を希望しない場合は1カ月以内に賃貸人に通知する必要があります。

建物賃貸借には様々なルールや条件がありますが、これらを理解することでトラブルを未然に防ぐことができます。借地借家法の下での契約では、しっかりと契約内容を確認し、適切な対応を行うことが重要です。