自筆証書遺言にまつわる4つのトラブルとその回避方法

2019年と2020年において、自筆証書遺言に関する法律が大幅に改正されました。本記事では、自筆証書遺言にまつわるトラブルと、民法の改正について解説いたします。自筆証書遺言は紙、ペン、印鑑、封筒、糊があれば手軽に作成できますが、その手軽さゆえに発生するトラブルについて考えていきましょう。

  1. 紛失の問題: 遺言者自身が遺言書を紛失した場合、新たに書き直すことができますが、他者が預かっていた場合の紛失は注意が必要です。預かった者が亡くなり、遺言書が見つからないといった事態に備え、遺言の存在を他の信頼性のある方法で通知することが重要です。
  2. 偽造の危険性: 遺言書の改竄は少しの手間で180度変えることが可能です。遺言者の名前の後ろに生年月日を明記するなど、改竄を難しくする工夫が必要です。具体的な情報が入ることで、真正性を確認しやすくなります。
  3. 破棄されるリスク: 不利な内容の遺言書が見つかった場合、遺言書を破棄するケースもあります。法的な制約があるにも関わらず、破棄された場合の証拠の確保が難しくなります。注意深い保管と信頼できる第三者への預け入れが必要です。
  4. 貸金庫の課題: 遺言書を銀行の貸金庫に預けると、相続時に全員の同意が必要であるため、開けられない可能性があります。遺言執行者の指定や権限与えることで、開封の手続きをスムーズに進めることができますが、貸金庫に入れたままにならないように注意が必要です。

自筆証書遺言は重要な文書であり、これらのトラブルを未然に防ぐためには慎重な対応が求められます。家族や信頼できる第三者とのコミュニケーションを大切にし、法改正にも注意を払いながら、円滑な相続手続きを心がけましょう。