譲渡所得にかかる税金
不動産の売買において重要なポイントとなるのが譲渡所得税についてです。この税金は、所有期間が5年を境に大きく変わることが知られています。
譲渡所得税は、住宅を売却して得た利益に対して課税されます。具体的には、売却した年の1月1日現在での所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年以上の場合は「長期譲渡所得」となります。これにより税率が異なります。短期譲渡所得の税率は30.66%(所得税30.36%、住民税9%)であり、一方で長期譲渡所得の税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)です。
具体的な税額の計算は、課税譲渡所得を求めることから始まります。課税譲渡所得は、譲渡収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いた額と特別控除を考慮して計算されます。取得費は、住宅を取得した時の費用を実額法または概算法で求めます。譲渡費用には、売却に要した仲介手数料や測量費などが含まれます。特別控除は、マイホームを売却した場合などに適用される控除額です。
例えば、1000万円の課税譲渡所得の場合、短期譲渡所得では税額は396万3000円、長期譲渡所得では203万1500円となります。短期と長期では税額に大きな差が生じるため、売却時の所有期間を考慮することが重要です。
住宅を売却する際には、所有期間が短期か長期かを十分に考慮し、税金の負担を把握した上で行動することが重要です。また、実際の税額計算については、専門家である不動産会社に相談して正確な情報を得ることが望ましいでしょう。