遺産分割協議書の重要性と「言った・言わない」トラブルへの対処法

仲の良い家族でも注意が必要

仲の良い家族であっても、遺産の分割においては慎重さが求められます。特に、口頭での合意だけでなく、遺産分割協議書の作成が欠かせません。この重要性を、実際のケースを通して考えてみましょう。

父の相続と口頭合意

ある四人家族では、父が亡くなり相続が発生しました。父の遺産について、3人で話し合いが行われ、「父さんの遺産はすべて母さんが相続したらいいさ。君もそれでいいだろ?」という提案があり、それに対しては渋々ながらも了承が得られました。

しかし、遺産分割協議書の作成はせず、父名義の不動産の名義変更も行われませんでした。後に母と姉の関係が悪化し、母が残した遺言書の内容について姉と弟が対立します。口頭での合意が書面に残っていないことが問題となり、争いが勃発します。

重要なポイントと対策: 遺産分割協議書の作成が不可欠

  1. 口頭合意の限界: 遺産分割協議は口頭でも成立しますが、後々のトラブルを避けるためには書面化が必要です。
  2. 遺言書との対立: 遺言書の内容と口頭での合意が食い違う場合、口頭合意を立証するのは難しいことがあります。
  3. 遺産分割協議書のサンプル利用: 国税庁が公開している遺産分割協議書のサンプルを活用し、具体的な内容を明確に記載しましょう。

事前対策が後々の争いを防ぐ

家族内での相続トラブルを避けるためには、遺産分割協議書の作成が重要です。口頭合意だけでなく、具体的な内容を書面に残すことで、将来的な問題を予防できます。国税庁のサンプルを利用し、慎重に遺産分割の手続きを進めましょう。