空き家問題:築古物件の新たな可能性
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、日本の総住宅数は総世帯数を大きく上回っています。この現象は、毎年100万戸近い新設住宅の供給が続いていることから、わが国の住宅ストックに空き家数の増加が顕著であることを示しています。そこで、本記事ではこの空き家問題と、築古物件の新たな可能性に焦点を当てたいと思います。
空き家問題の深刻化
図3は、平成30年住宅・土地統計調査による全国の空き家率と空き家数の推移を示したものです。2018年の全国の空き家数は848万9千戸で、空き家率は13.6%に達しています。この数字が示す通り、空き家問題は深刻化しており、野村総合研究所による推計によれば、今後も増加の一途をたどり、2033年には全国の空き家数が1,955万戸、空き家率が27.4%に達すると予想されています。
空き家問題の影響
空き家の増加に伴い、さまざまな問題が浮上しています。それには外壁の落下や建物の倒壊の危険性、防犯、防災、衛生上の問題、不法投棄やゴミ問題、景観の損失、周辺地域の不動産価値の低下、社会インフラの維持費用、環境問題などが含まれます。これらの外部不経済は、地域社会に多くの負担をかけることになります。
不動産コンサルティングの必要性
このような状況下で、不動産コンサルタントが求められています。彼らは空き家問題の解決策を提供し、所有者がどのように対処すべきかについての助言を行います。売却、貸し出し、建物の解体など、さまざまな選択肢が存在し、不動産コンサルタントはクライアントに最適な解決策を提供する役割を果たします。
また、築古物件に対する新たなニーズも高まっています。リノベーションを通じて、築古の建物が新たな価値を持つことができます。築古物件のポテンシャルを最大限に引き出し、市場価値を向上させる方法も不動産コンサルタントが提供するサービスの一部です。
まとめ
空き家問題は日本の住宅市場における大きな課題ですが、同時に築古物件に新たなビジネスチャンスをもたらしています。不動産コンサルタントの存在が、所有者や投資家にとって非常に重要であり、適切なアドバイスを提供することで、持続可能な不動産市場の発展に貢献するでしょう。