今日から使える不動産営業ノウハウ

~メール配信・現地調査・契約準備を同時に進める日常業務から~

不動産営業の1日は、【案件調整】【顧客フォロー】【販促】【専門家連携】の4つが同時並行で進みます。
これらは“ただの作業”に見えますが、積み重ねるほど成果が大きくなる重要な業務です。

今回は、現場で行っている「成果につながる実務ノウハウ」を紹介します。


■1.売主調整は「スピードと整理」が命

売買仲介で最もストレスが溜まりやすい部分が“条件のすり合わせ”。
ここを素早く整理できるかで、契約成立率が大きく変わります。

▼実践しているポイント

  • 売主へはメール+電話で結論を先に伝える
  • 価格・時期・付帯設備などの優先順位を整理しながら説明
  • 特約案を早めに作成して、売主・買主の誤解を防止
  • 契約書・重説の原案は早めに作っておく(後からの調整が楽)

スムーズに進む案件は、例外なく“初動の情報整理”がしっかりしています。


■2.【顧客フォロー】は「媒体ごとに言葉を変える」

メール・SMS・LINE、それぞれ反応が全く違います。

▼メディア別の役割

  • LINE:最速で返事が来る。雑談や質問向き
  • SMS:短文で要件を伝える最強ツール。未返信者への再アプローチに最適
  • メール:長文・資料送付・正式な案内に向く

当社では、
「媒体ごとにテンプレートを作成し、反響属性によって配信を変える」
ことで返信率を高めています。

▼属性ごとの一括配信

  • 新築探しの方
  • 中古戸建て検討者
  • 中古マンション検討者
  • 投資目的の問い合わせ

内容を変えることで、“刺さる文章”を届けやすくなります。


■3.現地確認は「契約書の質を上げる作業」

現地確認は案内のためだけではありません。
契約書や特約の精度を高める、一番重要な調査業務です。

▼チェックポイント

  • 境界・越境の有無
  • 通行動線・隣地との関係
  • インフラ(ガス・水道・排水)
  • 接面道路の幅員・種別
  • 周辺の環境(音・交通量・視線)

この情報が揃うと、
契約書の特約がスムーズに作成でき、後トラブルが激減します。


■4.買取候補地は「専門家に早く当てる」

調査士・司法書士への早期相談は、
**“購入判断の早期化=機会損失の回避”**に直結します。

▼当社で必ず行うこと

  • 土地家屋調査士へ現況・境界・越境の確認
  • 司法書士へ権利関係の初期相談
  • 役所調査の先行
  • 造成や商品化コストの早期把握

買取案件はスピードが全て。
「気になる点はその日のうちに専門家へ相談」を徹底しています。


■5.販促は「一度に複数物件で進める」

12月は動く人が減るように見えて、実は
**“来年に向けて物件探しを再開する方”**が増えるタイミング。

▼当社が行う販促

  • 物件ごとのチラシ発注(複数物件を同時に)
  • ターゲットに合わせた文言に差し替え
  • 現地写真の撮り直し
  • 媒体別のキャッチコピー作成

広告効果は1物件だけで出すより、
複数物件の露出を増やすと相乗効果が出ます。


■6.業者・関係者との関係構築は“信頼を溜める作業”

案件はひとつでも、関わる業者は数十になります。

▼信頼関係を作るポイント

  • 契約の直前だけでなく、普段から情報共有
  • 困っていないタイミングでも相談する
  • 手土産や挨拶をきっかけに「直接会う」
  • 書類・段取りは早めに揃える
  • 相手の負担を減らすメールの書き方をする

不動産は“人”の業界なので、ここを強化するだけで仕事の質が上がります。


■まとめ:不動産営業は「段取り×媒体戦略×現地力」

12月8日の業務を振り返るだけでも、不動産営業がどれだけ多面的な仕事かが分かります。

  • 売主調整(契約の前倒し)
  • 媒体別の顧客フォロー(メール・SMS・LINE)
  • 現地調査と契約書の質向上
  • 専門家連携による買取判断
  • 多物件同時の販促展開
  • 業者との信頼構築

これらを細かく積み重ねていくことこそ、
成約率・紹介率・リピート率を高める一番の近道です。