固定資産税と都市計画税について

不動産を保有すると、いくつかの税金が発生します。その代表的なものが「固定資産税」と「都市計画税」です。これらの税金は、不動産を所有する限り毎年支払わなければならず、賃貸経営や不動産投資を行う方、住宅を所有する方にとっては重要なコストです。このコラムでは、それぞれの税金の仕組みや計算方法、注意点について解説します。


固定資産税とは?

固定資産税とは、不動産を所有している全ての人に課せられる地方税で、土地や建物の評価額に基づいて課税されます。固定資産税の目的は、地方自治体の財政基盤を確保するためであり、所有する不動産の評価額に応じて年に一度、納付する必要があります。

  • 計算方法:固定資産税は、課税標準額に1.4%を乗じた金額が基本です。課税標準額とは、土地や建物の評価額に基づいて算出される数値で、評価額は総務省が定めた基準に基づいて各市町村が評価します。
  • 支払いのタイミング:通常、年に4回に分けて支払うことができ、納付書は市町村から送られてきます。

都市計画税とは?

都市計画税は、都市計画区域内の土地や建物に対して課せられる税金です。この税金の主な目的は、都市計画に関連する公共施設やインフラの整備に充てられることです。

  • 計算方法:都市計画税は、固定資産税と同様に課税標準額に基づき、上限0.3%までの範囲で市町村が税率を定めます。一般的には固定資産税と一緒に請求されます。
  • 課税対象:都市計画税は、都市計画区域内の土地や建物が対象となります。都市計画区域外の不動産には課税されませんので、物件の所在地によって支払うかどうかが決まります。

固定資産税と都市計画税の違い

これら2つの税金はどちらも不動産に関するものですが、固定資産税が不動産の所有そのものに対する課税であるのに対し、都市計画税は都市計画区域内の開発や整備に必要な資金を集めるためのものです。また、都市計画税の税率は固定資産税に比べて低いものの、都市計画区域に限られるため、すべての不動産に課税されるわけではありません。


注意点と節税対策

固定資産税・都市計画税は、物件を所有している限り必ず発生しますが、いくつかの特例措置や軽減措置を利用できるケースもあります。

  • 住宅用地の軽減措置:住宅用地に対しては、固定資産税や都市計画税の課税額が軽減される特例措置があります。例えば、200㎡以下の小規模住宅用地に対しては、課税標準額が1/6に軽減されます。
  • リフォームや耐震改修による減額:住宅の耐震改修やバリアフリーリフォームを行った場合、一定期間、固定資産税が減額される制度もあります。

まとめ

固定資産税と都市計画税は、不動産所有者が毎年負担する必要がある重要な税金です。物件を所有しているだけで発生するため、特に賃貸経営を行う際には、収支計画にしっかり組み込む必要があります。税額は物件の評価額や都市計画区域内かどうかによって異なりますが、適用できる軽減措置も存在するので、専門家に相談しながら節税対策を行うことが大切です。